南アフリカ ヨハネスブルグ Discovery Healthの Shirley Collie 氏らの報告。2022年10月30日「British Journal of Sports Medicine」に掲載。
南アフリカの匿名化された医療記録や、新型コロナワクチンの接種状況、医療保険や健康増進・行動変容プログラムに登録された合計19万6,444人の医療従事者が対象。歩数計や活動量計で記録した身体活動などをもとに「活動レベルが低い群」(週に少なくとも中程度の強度の身体活動を60分未満行っている)、「中程度の活動レベル群」 (週に少なくとも中程度の強度の身体活動を60分および149分行っている)、「活動レベルが高い群」(週に少なくとも中程度の強度の身体活動を150分以上行っている)の3群に層別化して、新型コロナのワクチン接種と感染、入院リスクなどについて解析。
結果
新型コロナに関連する入院に対するワクチンの有効性は、「活動レベルが低い群」60.0% (95%CI 39.0~73.8)、「中程度の活動レベル群」72.1%(95%CI 55.2~82.6)、「活動レベルが高い群」85.8%(95%CI 74.1~92.2)で、身体活動の多い人ほどワクチンの有効性が高まることが示された。(上図参照)
さらに、「活動レベルが高い群」でワクチン接種を受けた人は、「活動レベルが低い群」でワクチン接種を受けた人よりも 2.8倍 (95%CI 2.35~3.35)入院リスクが低かった (p<0.001)。また、「中程度の活動レベル群」でワクチン接種を受けた人は、「活動レベルが低い群」でワクチン接種を受けた人よりも1.4倍 (95%CI 1.36~1.51)入院リスクが低かった(p<0.001)。
報告は、「定期的な身体活動は、新型コロナウイルスによる入院に対するワクチンの有効性の向上と関連しており、より高いレベルの身体活動はワクチンの有効性の向上と関連していた」とまとめている。
「Association between regular physical activity and the protective effect of vaccination against SARS-CoV-2 in a South African case-control study」
https://bjsm.bmj.com/content/early/2022/10/30/bjsports-2022-105734