新型コロナウイルス流行に伴う緊急事態宣言で低学年児童の「転倒回数」が増加(名古屋大学)

 2021年10月11日名古屋大学のプレスリリース。国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻の杉浦 英志 教授氏らの報告。

 2018年12月から2020年12月にかけて、運動器健診に参加した6~7歳の児童 110 名(男児 53 名、女児 57 名)が対象。評価項目は、体脂肪率、片脚立位時間、握力、歩容、1 か月間の転倒回数。緊急事態宣言前に健診に参加した児童(宣言前群56名)と宣言後に参加した児童(宣言後群54名)に分類。

 2群間の比較は、身体機能(体脂肪率、片脚立位時間、握力、歩容)と質問紙により得られた、過去1か月間の歩行中の「転倒回数」、健康と生活の質、子どもの強さと困難さ、身体活動時間、1週間の食事の回数、スポーツ経費、1 日の睡眠時間を検討。

 緊急事態宣言との関連を調査するために、二項ロジスティック回帰分析を実施した結果。緊急事態宣言後に運動器健診に参加した児童は、「片脚立位時間」「体脂肪率」「転倒回数」が関連していることが認められ、特に「転倒回数」との関連が高い(オッズ比:1.899倍)ことが明らかになった。(上図参照)

 報告は、「緊急事態宣言による活動制限は、バランス機能低下と体脂肪率の増加に繋がるリスクが高く、バランストレーニングと適切な食習慣の実行が重要であることが示された」とまとめている。


「新型コロナウイルス流行に伴う緊急事態宣言で、低学年児童の「転倒」と「肥満」のリスクが増加した ~身体活動の量よりも質が重要~」(名古屋大学)(PDFファイル)
 https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20211011_med.pdf
「Effect of the COVID-19 Emergency on Physical Function among School-Aged Children」
 https://www.mdpi.com/1660-4601/18/18/9620/htm


〔管理者コメント〕 

 バランス、転倒は、発育・発達期だけでなく老化期にも通じる。
 私見ですが、健康づくり身体活動では、エアロビック運動、筋力トレーニングよりもバランストレーニングを中心とした情報系の身体活動が重要と考えています。

(本サイト内リンク)(解説)最も大切な健康づくり運動は「片脚立ち」!(healthy-life21.com)
 https://healthy-life21.com/2016/06/19/one-foot/