座っている時間が短いことが心臓の健康に最も良い影響を与える!長時間の座位行動は寝ているよりも心臓の健康に悪い影響を与える恐れ!

 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン スポーツ・運動・健康研究所の Joanna M Blodgett 氏らの研究グループの報告。研究成果は2023年11月10日「European Heart Journal」に掲載。

 Prospective Physical Activity, Sitting and Sleep コンソーシアムの 6つの研究 (5カ国の対象者の総計1万5,253人、平均年齢53.7±9.7歳、女性 54.7%)の横断データを使用。睡眠、座位行動、立位行動、軽度の身体活動、中高強度の身体活動に費やした時間とBMI、腹囲、HDLコレステロール、総コレステロール(TC)とHDL-Cの比(TC/HDL-C比)、トリグリセリド(TG)、HbA1cとの関連を分析した結果。

 1日の平均構成は、睡眠に7.7時間、座位行動に10.4時間、立位行動に3.3時間、低強度の身体活動に1.5時間、中高強度の身体活動に1.3時間を費やしていた。
 心臓の健康に良い影響をもたらすのは、中高強度の身体活動、低強度の身体活動、睡眠・立位行動、座位行動の順であることが明らかになった。

 また、睡眠、座位行動、立位行動、低強度の身体活動を30分間中高強度の身体活動に置き換えた場合のBMIに与える影響を分析したところ座位行動を置き換えるのが最も効果的だった。(上図参照)

 報告は、「心臓の健康に最も強く関連している1日24時間の身体活動の階層構造は、中高強度の身体活動に費やす時間を長くし、座位行動を減らすことが重要であることを示唆している」とまとめている。


「Device-measured physical activity and cardiometabolic health: the Prospective Physical Activity, Sitting, and Sleep (ProPASS) consortium」(European Heart Journal)
 https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article/doi/10.1093/eurheartj/ehad717/7343176