レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)は体脂肪減少に効果があるか?

 (上図は本文とは直接は関係ありません)

 豪州ニューサウスウェールズ大学Michael A. Wewege氏らの報告。2021年9月18日「Sports Medicine」に記載。

 レジスタンストレーニングは、筋力、筋肉量を増し除脂肪筋量を増やすためのトレーニングで、脂肪燃焼はエアロビック(有酸素)運動が定説となっておりレジスタンストレーニング単独の脂肪燃焼効果を研究した報告は少ない。そこで、過去の研究結果から健康な成人を対象に、少なくとも4週間のレジスタンストレーニング実施群と運動未実施のコントロール群を比較した無作為化試験を行った報告を対象としてシステマティックレビューを行い分析。

 最終的に、正確な形式の体脂肪測定(脂肪量と除脂肪量を区別できるボディスキャンなど)を使用した58本の研究論文が分析対象。研究には約3,000人の参加者が含まれ、全員が研究参加前にレジスタンストレーニングの経験がなかった。

 レジスタンストレーニングプログラム内容は、研究間で異なるが、平均して約45-60分間、週に2.7回、約5ヶ月継続。
 レジスタンストレーニング群は、対照群と比較して、体脂肪率を-1.46%(95%信頼区間-1.78~-1.14、p<0.0001)、体脂肪量を-0.55kg(95%信頼区間-0.75~-0.34、p<0.0001)、内臓脂肪を-0.49(95%信頼区間-0.87~-0.11、p=0.0114)の標準化平均差で減少していた。これは、ほとんどの参加者の脂肪量が約0.5キロ減少したことに相当。

 報告は、「レジスタンストレーニングを単独で行った場合でも、健康な成人の体脂肪率、体脂肪量、内臓脂肪を減少させる。この結果は、レジスタンストレーニング愛好者にとって励みになるかもしれないが、脂肪を減らすことを目指す人々にとっての最善のアプローチは、栄養価の高い食事を順守し、有酸素/エアロビクス運動とレジスタンストレーニングの両方を含む運動ルーチンを実施することだ」とまとめている。


「The Effect of Resistance Training in Healthy Adults on Body Fat Percentage, Fat Mass and Visceral Fat: A Systematic Review and Meta-Analysis」
 https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40279-021-01562-2


〔管理者コメント〕

 健康づくりの運動においては、有酸素運動とレジスタンストレーニングの両方を含むプログラムを実施することが望ましいが、有酸素運動のできない環境下等においてレジスタンストレーニングだけによっても体脂肪をコントロールできるという結果。「平均して約45-60分間、週に2.7回、約5ヶ月継続 」で脂肪量約0.5kgという効果は比較的大きく感じる。

 大腿部前部の具体的な筋力トレーニングの取り組み方については本サイト内「(解説)大腿部前部(ふともも)の筋力トレーニングは異なる2種類の運動をバランスよく行うことが大切」等を参考にしてください。
 https://healthy-life21.com/2021/04/01/20210401/