保護者の“当番は大変”なイメージが、子どものスポーツ参加の妨げになっている恐れ -小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究2021-(笹川スポーツ財団)

 公益財団法人 笹川スポーツ財団の調査、研究報告。2023年1月26日ホームページにて公表。

 2021年9月に小学校1年生~6年生の第1子をもつ母親を対象にアンケート調査を実施。複数の子どもがいる場合は第1子について回答。有効回答数2,400人(対象となる子どもの学年・性別が均等になるよう割付。全学年男女各200名) 。

 結果のポイント

1 保護者組織(当番、係、役員等)がある団体のほうが、活動の頻度が高く、長時間である傾向
・ 当番等があるクラブ:頻度「週に2~3日」 48.3%、時間(1回あたり)「2時間くらい」 29.2%が最多
・ 当番等がないクラブ:頻度「週に1回程度」72.1%、時間(1回あたり)「1時間くらい」64.5%が最多

2 保護者組織や当番等に関わる母親のうち、高頻度・長時間サポートする母親は少数
・ 活動頻度:「週に1日以上」(「週に1日くらい」~「週に4~5日以上」の合計) 7.2%
・ 活動時間:「3時間以上」(「3~4時間未満」~「5時間以上」の合計) 19.4%

3 当番を経験するのは一部の母親だが、その大変なイメージがより多くの母親にスポーツ活動を敬遠させている可能性(下図参照)

・ 現在当番を担当している母親は7.5%
・ 当番の負担を理由にスポーツ活動を敬遠する母親は26.1%

 報告は、「『サポートできる保護者の子どもしか活動できないスポーツ』ではなく、『活動したい子どもを保護者やスタッフが持続可能な範囲で支えていく』と発想を転換し、競技団体やメディア、研究者も含めて子どものスポーツ環境を考える必要がある」とまとめている。


「保護者の当番の“大変なイメージ”が、子どもをスポーツから遠ざける可能性」(笹川スポーツ財団)
 https://www.ssf.or.jp/thinktank/children_youth/2021_report1_02.html


〔管理者コメント〕

 当然、地域差などはあると思うが、それよりもスポーツの種目のバイアスが大きすぎると感じる。例えば大手のスイミングスクールなどは保護者の当番はほとんどないのでは?