社会的孤立は、全ての世代の健康に悪影響を及ぼす。高齢者の精神的健康維持には対面接触がベスト、非対面接触のみは次善の策(東京都健康長寿医療センター研究所 )

 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チームの 藤原 佳典 氏 らの研究グループの報告。2022年2月16日「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載。

 首都圏在住の25歳以上85歳未満で、2016年初回調査と2018年第二回調査を共に回答した1,751名を対象に、同居家族以外との接触とその後の精神的健康度や主観的健康感の低下に及ぼす影響を年齢層別に明らかにすることを目的とした研究報告。

 健康関連因子は、WHO-5精神的健康度(World Health Organization-Five Well-Being Index)(得点範囲:0~25点、13点未満を不良)および主観的健康感(自己評価による健康状態:良好vs.不良)を使用。
 社会的接触は、同居家族以外と(A)直接会う対面接触頻度(B)電話・メール・手紙などによる非対面接触の頻度を週1回以上接触しているか否かで、非対面接触の有無に拘わらず対面接触のある「対面接触あり」グループ、「非対面接触のみ」グループ、対面接触のない「接触なし」グループに分類。
 高齢群(65-84歳)、中年群(50-64歳)、青壮年群(25-49歳)別に比較検討。

結果

・ 「接触なし」は、高齢群は26.1%、中年群37.3%、青壮年群37.9%で統計学的に少なかった。

・ 「接触なし」グループと比較した2年後の精神健康度の低下リスクには、高齢者群の「非対面接触のみ」グループはオッズ比(OR) 0.45(95%信頼区間:0.21-0.97)、「非対面接触のみ」グループは0.27(0.14-0.51)。青壮年群の「非対面接触のみ」は0.47(0.25-0.88)、「対面接触あり」グループは0.40(0.23-0.74)。「非対面接触のみ」よりも、「対面接触あり」の方が、精神健康状態の悪化のリスクを低減させる可能性がある。(上図左)
・ 「接触なし」グループと比較した2年後の主観的健康感は、中年群の「対面接触あり」グループは0.28(0.10-0.80)。(上図右)

 報告は、「日頃、同居家族以外との接触がない場合と比べて、1 精神的健康状態の悪化を抑制するためには対面接触、非対面接触のいずれも有効。2 非対面接触のみの場合よりも、対面接触ありの方が、その好影響は大きい。3 中年の対面接触は主観的健康感の維持・向上に有意に影響した」とまとめている。


「社会的孤立は、全ての世代の健康に悪影響を及ぼす 高齢者の精神的健康維持には対面接触がベスト、非対面接触のみは次善の策」(東京都健康長寿医療センター研究所)
 https://www.tmghig.jp/research/release/2022/0318.html


〔管理者コメント〕

 対面で五官を駆使して得られる情報を、デジタルに加工した制限のある画面や音声から得られる視覚、聴覚、嗅覚、触覚情報で補うには無理がある。健康づくりにおいては、非対面接触ツールの活用はあくまでも補助的に考えることが大切だと感じます。

(サイト内リンク)(解説)国民の生命や財産を脅かす大災害と意識して行動することが大切!新型コロナウイルス感染症禍における身体活動(生活活動、運動)のポイント(healthy-life21.com )
 https://healthy-life21.com/2021/05/10/20210111/