職業上の身体活動と余暇の身体活動は区別して考える必要がある!

 デンマーク国立労働環境研究センターのAndreas Holtermann氏らによる報告。「European Heart Journal」に2021年4月9日掲載。

 デンマークの20~100歳の一般住民10万4,046人を対象とする疫学調査のデータを使用。職業上の身体活動と余暇の身体活動のレベルを、自己申告に基づいて「低値群」「中等度群」「高値群」「極めて高値群」の4群に分け、10年間(中央値)追跡。追跡期間中に主要心血管イベント (MACE:Major Adverse Cardiovascular Events)7,913件(7.6%)との死亡9,846人(9.5%)を確認。

(職業上の身体活動の4群の基準)
 「低値群」・・・・・ 主に座りがちな仕事
 「中等度群」・・・・ 座りがちな、または立っている、時には歩く仕事
 「高値群」・・・・・ 歩く、時には持ち上げる仕事
 「極めて高値群」・・ 重い肉体労働

(余暇の身体活動の4群の基準)
 「低値群」・・・・・ ほぼ完全に座りがち、または軽い身体活動を週に2時間未満
 「中等度群」・・・・ 週に2〜4時間の軽い身体活動
 「高値群」・・・・・ 週に4時間以上の軽い身体活動、または週に2〜4時間の激しい身体活動
 「極めて高値群」・・ 週に4時間以上の激しい身体活動、または週に数回の定期的な激しい運動または競技スポーツ

主要心血管イベントの結果(上図参照)
 職業上の身体活動レベルは、「低値群」と比較すると「高値群」以上では主要心血管イベントのリスクが上昇〔「高値群」HR1.15(同1.04~1.28)、「極めて高値群」HR1.35(同1.14~1.59)〕。
 余暇の身体活動レベルは、「低値群」と比較すると「中等度群」以上の群は全て、リスクが低下。〔身体活動レベルが「中等度群」のハザード比(HR)0.86(95%信頼区間0.78~0.96)、「高値群」HR0.77(同0.69~0.86)、「極めて高値群」HR0.85(同0.73~0.98)〕。

全死亡の結果(上図参照)
 職業上の身体活動レベルは、「低値群」と比較すると「高値群」以上では、全死亡のリスク上昇が認められた〔「高値群」HR1.13(同1.01~1.27)、「極めて高値」群HR1.27(同1.05~1.54)〕。
 余暇の身体活動レベルの「低値群」と比較すると「中等度群」以上の群は全て、全死亡のリスク低下が認められた〔「中等度群」HR0.74(同0.68~0.81)、「高値群」HR0.59(同0.54~0.64)、「極めて高値群」HR0.60(同0.52~0.69)〕。

 報告者は、「労働者が仕事で疲れ切ることなく、疲労回復に十分な時間を確保でき、余暇には健康増進のための身体活動を行えるようにしていかなければならない」とまとめている。


「The physical activity paradox in cardiovascular disease and all-cause mortality: the contemporary Copenhagen General Population Study with 104 046 adults」
 https://academic.oup.com/eurheartj/article/42/15/1499/6213772


〔管理者コメント〕

  真逆の結果であり注意が必要。ストレスが影響しているには間違いない。
  ただ、もう少し調整因子等に工夫が必要に感じる。