富山大学人間発達科学部の澤聡美らによる、文部科学省スーパー食育スクール事業の追加調査結果。2月5日に国際誌Childrenに掲載。
対象は、高岡市内の5つの小学校に通う1年生から6年生までの全児童 2,129 名。平成28年1月に家庭環境や親子の生活習慣などに関するアンケート調査を実施。回収数は1,986名(回収率:93.3%)。さらに、睡眠習慣(就寝時刻、起床時刻、睡眠時間)と日中の睡眠不足感に着目し、有効回答数1,882名を分析。
以下結果の一部を詳細紹介
母親の生活習慣をBreslowの7つの生活習慣 ①適切な睡眠時間(7-8 時間)をとる ②喫煙をしない ③適正体重を維持する ④過度の飲酒をしない ⑤定期的な運動を行う ⑥朝食を毎朝食べる ⑦間食をしない のうち当ててはまる項目が0-3個の場合を生活習慣を「わるい」、4-5個の場合を「ふつう」、6-7個の場合を「よい」と評価。子供の就寝時刻と比較検討。
年齢や性別等の他の要因を考慮した統計分析の結果、母親の生活習慣が「よい」家庭を基準とした場合「わるい」家庭における、子供の就寝時刻に対するオッズ比は1.75(p<0.01)。母親の生活習慣がわるいと、子供は就寝時刻が遅く、睡眠不足を感じていることが分かった。(上図参照)
その他、「3時間以上メディアを利用する」子供は、遅寝遅起きで生活リズムが夜型化していた。睡眠不足の子供の特徴として、「母親が仕事を持っている」という特徴がある。また、睡眠習慣の悪い子供は、朝食の欠食や運動不足を伴いやすいことも分かった。
報告者は、「地域社会や保護者の協力のもとに、子供の睡眠習慣を改善するための取り組みが必要と考えられる」とまとめている。
国立大学法人富山大学プレスリリース 2021.2.15
「メディア利用が3時間以上の子供は、遅寝遅起きで生活リズムが夜型化し、母親の生活習慣が良くなく、仕事を持っている場合に、子供の睡眠不足が多い」(PDFファイル)
https://www.u-toyama.ac.jp/wp/wp-content/uploads/20210215.pdf
〔管理者コメント〕
特別な結果はないと感じるが、子供の良好な生活習慣を考えるうえで一度はプレスリリース(PDFファイル)全体には目を通しておきたい。