エクオールを産生できる人はフレイルや身体活動の低下が起こりにくい!(東京都健康長寿医療研究センター)

フレイル,腸内環境,エクオール

 地方独立行政法人東京都健康長寿医療研究センター 小島 成実 氏らの報告。2026年3月9日同センターホームページにて公表。研究成果は、2026年1月21日「Clinical Interventions in Aging」に掲載。

 2023年2月に板橋区高齢化縦断研究に参加した地域在住高齢者651名(70~85歳)が対象。エクオールは、尿中エクオール濃度を測定し、エクオール産生者(1,000nmol/L以上)と非産生者(1,000nmol/L未満)に分類。フレイルは改訂日本版フレイル基準(J-CHS基準)により評価。エクオール産生とフレイルおよびフレイルの構成要素他との関連を検討。

 主な結果

 エクオール産生能を持つ高齢者は、「フレイルまたはプレフレイル」である割合が低かった(オッズ比:0.71、95%信頼区間:0.51–0.97)。フレイルの構成要素のうち、特に「身体活動量の低下」は、エクオール産生能を持つ群で少なかった(オッズ比:0.60、95%信頼区間:0.41-0.88)。(上図参照)

 加齢とともに進行する骨密度低下や身体活動の減少に対し、エクオールの生理作用(エストロゲン様作用、抗炎症作用、血管機能改善作用等)が寄与している可能性が示唆された。日常生活においては、大豆食品の摂取や腸内環境を整える生活習慣(バランスの取れた食事、適度な運動等)が重要であると考えられる。


 報告は、「エクオールの産生は大豆食品の摂取だけでなく、産生を担う腸内細菌の存在に依存する。腸内細菌の機能的特性が高齢者のフレイル予防に関与する可能性を示すものであり、腸内環境を整えることでフレイル予防の新たな介入戦略が得られる可能性がある」とまとめている。


エクオール
 エクオールは大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから、特定の腸内細菌が産生する代謝物。誰もが産生できるわけではなく、産生できる人(エクオール産生者)は日本人高齢者では約半数とされている。



「腸内細菌によるエクオール産生能とフレイルの関連を明らかに -板橋健康長寿縦断研究からの成果-」(東京都健康長寿医療研究センター)
 https://www.tmghig.jp/research/release/2026/0309.html
「Association of Urinary Equol Concentration with Frailty in Community-Dwelling Older Adults: The Itabashi Longitudinal Study on Aging」(Clinical Interventions in Aging)
 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.2147/CIA.S538853