歩行で1km、自転車で2kmの移動を許容できることが健康長寿のカギ(山口県立大学 他)

 山口県立大学 角田 憲治 氏、筑波大学大学院 永田 康喜 氏らの報告。2023年1月12日ホームページ「TSUKUBA JOURNAL」にて公表。研究成果は2022年12月17日「Health & Place」に掲載。

 2013年に茨城県笠間市で実施した郵送調査において有効回答が得られた高齢者 7,618人(平均年齢:74.0 歳、女性:51.8%)を対象に、2021年まで8年間追跡し、要介護化(要介護度1以上)と死亡の状況について調査。
 歩行移動の許容距離の評価は、「行きたい場所(知人宅、スー パー、飲食店、病院、バス停・駅など)が自宅から、どの位の距離であれば、歩いて行こうと思いますか(快適な日、平坦な道を想定してください)」という問いに対して、「1kmより遠く」「1km以内」「500m以内」「300m以内」の4カテゴリーで集計。自転車移動の許容距離の評価は同様に、「2kmより遠く」「2km以内」「1km以内」「500m以内」「乗れない」の5カテゴリーで集計。

結果

 要介護化は、歩行移動の許容距離が「1kmより遠く」の許容者に比べて「500m以内」(24%のリスク増)や「300m以内」(33%のリスク増)はリスクが高く、自転車移動の許容距離が「2kmより遠く」の許容者に比べて「1km以内」(39%のリスク増)や「500m以内」(23%のリスク増)はリスクが高いことがわかった。(上図参照)
 死亡リスクについても、歩行移動の許容距離が「300m以内」(21%のリスク増)、自転車移動の許容距離が「1km以内」(40%のリスク増)や「500m以内」(34%のリスク増)の場合、高リスクになっていた。
 一方、歩行移動で1km以内、自転車移動で2km以内の許容者は、より⻑距離の許容者と比べても、要介護化および死亡について統計的なリスクの増加は見られなかった。

 これらのことから、高齢者において歩行や自転車移動の許容距離が短いことは、要介護化および死亡のリスクであり、歩行で1km、自転車で2kmの移動を許容できることが、リスクを上げない目安となることがわかった。

 報告は、「歩行や自転車移動の許容距離は、日々の生活の積み重ねによって形成されると考えられる。普段の生活の中で、歩行や自転車で移動する意欲を高く持つことが、健康寿命を保つ上で重要であるといえる」とまとめている。


「歩行で1km、自転車で2kmの移動を許容できることが健康長寿のカギ」(TSUKUBA JOURNAL)
 https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20230112140000.html