新型コロナウイルス感染後に半数以上が後遺症アリ -重症度に関係なく、倦怠感や味覚・嗅覚の異常、抜け毛、睡眠障害の後遺症状が残るリスクがあることも明らかに-(大阪公立大学)

 大阪公立大学大学院医学研究科 臨床感染制御学の 井本 和紀 氏らの報告。2023年1月11日大阪公立大学のホームページにて公表。研究結果は2022年12月27日「Scientific Reports」に掲載。

 大阪の5つの病院(大阪公立大学医学部附属病院、大阪市立十三市民病院、大野記念病院、旧:阪和第二病院、ベルランド総合病院)で2020年1月1日~2020年12月31日の間にCOVID-19と診断された人、もしくは各病院に入院した人(計285名)が対象。
 「COVID-19の後遺症がどのような症状で、どれくらいの人に残っているのか」「それによってどれくらい生活が影響を受けているのか」「どのような人が、後遺症が残りやすいのか」についてアンケート調査を行った結果。

 対象者のうち半数以上(56%)の人に、少なくとも1つ以上の後遺症状が残っていることが明らかになった。(上表参照)

 後遺症状については、比較的軽症の人(無症状者・軽症者)では、倦怠感や抜け毛、集中力・記憶力の異常、睡眠障害が多く残っており(10%以上)、比較的重症の人(中等症~重症)では、倦怠感、呼吸困難感(息がしづらくなる感じ)、味覚障害、抜け毛、集中力の異常、記憶力の異常、睡眠障害、関節の痛み、頭痛が多く残っていたことが明らかになった(10%以上)。 また、生活に大きな影響を与えている後遺症としては、倦怠感、喀痰(痰が多くでること)、呼吸困難感、嗅覚の異常、抜け毛、集中力や記憶力の異常、睡眠障害、関節の痛み、眼の充血、下痢があり、これらの症状が常に気になるほど残っていることで「生活の質」が低下している人が多くいることがわかった。

 どのような人で後遺症が残りやすいかについては、後遺症状と危険因子(患者の背景・持病・血液検査値)についてロジスティック回帰分析を実施。新型コロナウイルスに感染した際の重症度と、喀痰、胸痛、呼吸困難感、咽頭痛、下痢などが非常に強く関連。新型コロナウイルスに感染した際の重症度と関係なく残ってしまう後遺症として倦怠感や味覚・嗅覚の異常、抜け毛、睡眠障害があった。

 報告は、「新型コロナウイルスオミクロン株では重症化する可能性は低いとされている。また、一部の報告ではこれまでに流行した株と比較すると後遺症が少ないとも言われている。しかし、本研究により、若年層やワクチンをすでに打っている人、過去に新型コロナウイルスに感染しており重症化する可能性が低い人でも後遺症が残る可能性があり、感染に注意が必要だと言える」とまとめている。


「新型コロナウイルス感染後に半数以上が後遺症アリ ~重症度に関係なく、味覚・嗅覚の異常、睡眠障害などの後遺症状が残る可能性があることも明らかに~」(大阪公立大学)
 https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-03837.html