運動は一人で行うよりも仲間と行った方が認知機能の低下予防に効果的(筑波大学大学院 他)

 筑波大学大学院 永田 康喜 氏、山口県立大学 角田 憲治 氏らの報告。2023年1月12日ホームページ「TSUKUBA JOURNAL」にて公表。研究成果は2022年12月23日「Archives of Gerontology and Geriatrics」に掲載。

 茨城県笠間市在住の高齢者を対象とした2017年の郵送調査を起点として、4,358名(平均年齢:76.9歳、女性:51.8%)を対象に「一人で行う運動や仲間と行う運動は、どの程度実践されているのか」および「どちらの運動が認知機能障害の抑制効果があるのか」について、4年間にわたる追跡調査により検証。

 結果

 高齢者がより多く実践しているのは、一人で行う運動であり、週2回以上の実践者が4割を超える一方で、仲間と行う運動の週2回以上の実践者は2割未満にとどまることがわかった。

 認知機能障害の抑制効果については、一人で行う運動も、仲間と行う運動も、それぞれ非実践群と比較すると週2回以上の実践群では統計的な抑制効果が認められたが、一人で行う運動は22%のリスク減(ハザード比 0.78、95%信頼区間 0.61-0.998)に対して、仲間と行う運動は34%のリスク減(ハザード比 0.66、95%信頼区間 0.47-0.94)でより強い抑制効果を示した。(上図参照)

 報告は、「高齢者の認知症予防においては、既に広く実践されている一人で行う運動の意義を認めつつも、仲間と行う運動を推奨していくことが重要であると考えられる」とまとめている。


「運動は一人よりも仲間と行う方が認知機能の低下予防に効果的」(TSUKUBA JOURNAL)
 https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20230112141500.html