機能性食品の動画広告が不健康行動を誘発! (東京大学大学院)

(画像は本文と直接は関係ありません)

 東京大学大学院医学系研究科の 家 れい奈 氏らの報告。2022年2月11日「Healthcare」に掲載。

 調査会社データベースに登録されている人から募集した788名が対象。2021年9月29日から30日に、パソコンまたはスマートフォンを使用して調査に回答。

 対象者を、「食事で摂取した脂肪の吸収を減らした」とする機能性食品の3本の「免罪符動画広告※」の動画(合計50秒)閲覧する「介入群」(394人)と機能性食品とは無関係のお茶の抽出方法に関する動画(合計50秒)を閲覧する「対照群」(394人)にランダムに割付。動画の閲覧前後に「機能性食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」という認識に関する質問9問について、6段階(「非常に可能性が低い」「可能性が低い」「少し可能性が低い」「少し可能性が高い」「可能性が高い」「非常に可能性が高い」)で回答した結果を「介入群」と「対照群」で比較検討。

 結果、「免罪符動画広告」を視聴した「介入群」は、「対照群」と比べて機能性食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよいという認識が有意に高かった。

 報告は、「テレビやYouTubeを介して免罪符型の広告に毎日繰り返しさらされると、視聴者は不健康な行動を取り、健康的な行動を避けるようになる。免罪符型の機能性食品のビデオ広告の欺瞞的な内容は、公衆衛生を促進するために改善されるべきだ」とまとめている。


「The Effect of Exposure to “Exemption” Video Advertisements for Functional Foods: A Randomized Control Study in Japan」
 https://www.mdpi.com/2227-9032/10/2/345/htm

※ 機能性食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよいなどと訴求しているわけではないが、機能性食品を摂取することで、不健康な行動を取ることができる、あるいは健康的な行動を取る必要がないということを視聴者に暗示している可能性がある動画広告