マスク着用、手洗い、フィジカルディスタンシングのcovid-19、SARS-CoV-2の感染減少への効果

 オーストラリア モナシュ大学のStella Talic氏らのcovid-19の発生率、SARS-CoV-2の感染およびcovid-19による死亡率を減少させる公衆衛生対策(マスク着用、手洗い、フィジカルディスタンシング)の効果に関するエビデンスをレビューした結果。2021年11月18日にBMJ(British Medical Journal)で公開。

 Medline、Embase、CINAHL、Biosis、Joanna Briggs、Global Health、World Health Organization COVID-19データベース(プレプリント)において、COVID-19発症率、SARS-CoV-2感染率、COVID-19死亡率の減少における感染対策の有効性を評価した観察研究と介入研究を検索。主要評価項目はCOVID-19発症率、副次評価項目はSARS-CoV-2感染率とCOVID-19死亡率など。マスク着用、手洗い、フィジカルディスタンシングがCOVID-19発症率に及ぼす影響を解析、評価した結果。

 結果、72本の論文が基準を満たし、そのうち35本件が個別の感染対策を評価し、37本が複数の感染対策を「介入パッケージ」として評価。35本のうち8本をメタ解析した結果、手洗い(相対リスク:0.47、95%信頼区間:0.19〜1.12、I2=12%)、マスク着用(0.47、0.29〜0.75、I2=84%)、フィジカルディスタンス(0.75、0.59〜0.95、I2=87%)がCOVID-19発症率の減少と関連(下図参照)。

 検疫・隔離、ロックダウン、国境・学校・職場の封鎖による有効性は、研究の不均一性からメタ解析は不可能だった。

 報告は、「手洗い、マスク着用、フィジカルディスタンスなど、いくつかの個人的な保護的および社会的対策が発生率の低下に関連していることを示唆している」とまとめている。


「Effectiveness of public health measures in reducing the incidence of covid-19, SARS-CoV-2 transmission, and covid-19 mortality: systematic review and meta-analysis」
 https://www.bmj.com/content/375/bmj-2021-068302.long


〔管理者コメント〕

 上記報告では検討されていないが、「換気」の有効性はかなり高いと感じる。
 一つでは、25%から50%の感染減少効果だが、「換気」「マスク着用」「手洗い」「フィジカルディスタンシング」 のすべてを実行すれば感染拡大はほとんど抑えられる。