COVID-19の軽症、感染疑いでも生活機能や身体能力の低下するリスクが約2倍に!

 カナダのマクスター大学Marla K. Beauchamp氏らの報告。2022年1月12日「JAMA Network Open」に掲載。

 カナダの全国調査「Canadian Longitudinal Study on Aging」のデータを用いたコホート研究。50歳以上の地域住民を対象に、入院を必要としないCOVID-19感染確定診断者または感染疑い者の生活機能や身体能力との関連を調査。

 ベースライン時の51,338人の参加者のうち、21,491人(41.9%)が65歳以上、26,155人(51.0%)が女性で25,183人(49.1%)が男性。対象者のうちCOVID-19の軽症から中等症の確定診断者または疑い者は2,748人(確定診断者は159人、疑い者は2,589人)。

 結果、COVID-19流行初期、4人に1人以上(5,976人、25.2%)が身体能力の低下、8.9%(2,111人)が家庭内での移動、8.6%(2,022人)が家事活動に困難を感じるようになったと報告。最終調査時には、10.4~15.2%が、座位から立ち上がる動作、階段の昇降、自宅周辺の散歩が困難になったと報告。

 軽症から中等症のCOVID-19確定診断者または疑い者は、非罹患者と比べて、「家庭内での移動」の調整後オッズ比は2.30(95%CI 2.01~2.63)、「家事活動」2.09(同1.82~2.41)、「身体活動」1.78(同1.61~1.97)、「座位から立ち上がる動作」1.70(1.37~2.10)、「階段の昇降」1.95(同1.55~2.44)、「自宅周辺の散歩」1.80(同1.45~2.22)とそれぞれリスクが2倍前後上昇。(上図参照)

 報告は、「COVID-19が世界中に蔓延していることからも、罹患後の長期的な影響について明らかにし、一般住民の生活機能や身体能力の低下を防止するための介入方法や対策を検討することが肝要だ」と述べている。


「Assessment of Functional Mobility After COVID-19 in Adults Aged 50 Years or Older in the Canadian Longitudinal Study on Aging」
 https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2787975