新型コロナウイルス禍におけるメンタルヘルス問題の実態が明らかに(九州大学大学院)

 九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野の中尾智博教授、村山桂太郎助教講師、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)・認知行動療法センターの久我弘典センター長らの研究グループのCOVID-19に起因したメンタルヘルス問題の実態についての調査結果。厚労省特別研究事業。国際医学雑誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に2021年7月8日に掲載。

 2020年11月1日から12月31日に全国の精神保健福祉センター69施設と精神科医療機関931施設、計1000施設を対象に郵送によるアンケート調査を実施。

 主な結果

 相談の大半は精神保健福祉センターに電話で行われ、COVID-19感染者やその家族に加え、一般住民からも広く寄せられていた。相談内容は不安、うつ、不眠、アルコール問題といった精神医学的問題に加え、対人関係や偏見差別の悩みなど、社会的要素を含んでいた。また、自殺の危険など緊急を要する相談も寄せられていた。(上図参照)

 報告は「COVID-19に関連したメンタルヘルス問題は広がりを見せており、精神保健福祉センターや精神科医療機関における適切な対応と介入のシステム構築が急務である」とまとめている。


新型コロナウイルス禍におけるメンタルヘルス問題の実態が明らかに(九州大学大学院)(PDFファイル)
 https://www.kyushu-u.ac.jp/f/44676/21_07_28_02.pdf
「Mental Health Difficulties and Countermeasures during the Coronavirus Disease Pandemic in Japan: A Nationwide Questionnaire Survey of Mental Health and Psychiatric Institutions」
 https://www.mdpi.com/1660-4601/18/14/7318