高齢者では1日の歩数が睡眠効率と関係している(大分大学)

 大分大学医学部神経内科の木村 成志氏らの報告。大分県臼杵市に居住する65歳以上で2015年8月~2016年3月までに登録した855例〔年齢中央値は73歳(四分位範囲※:69~78歳)、男性317例(37.1%)、女性538例(62.9%)、教育レベルは12(四分位範囲:11~12)年、ミニメンタルステート検査※スコアは29(四分位範囲:27~30)ポイント)〕が対象。毎日の歩数(期間中3ヵ月ごとに平均7~8日のあいだリストバンドセンサーにて測定)と睡眠(総睡眠時間、睡眠効率※、中途覚醒時間、中途覚醒回数、昼寝時間)の関連を調査した結果。

 主な結果は以下のとおり。

・ 毎日の歩数は、睡眠時間と相関はなかった。
・ 毎日の歩数は、睡眠効率と正の相関を示した。
・ 毎日の歩数は、中途覚醒時間、中途覚醒回数、昼寝時間と逆相関を示した。
 (上図参照)

 報告者らは「毎日の歩数の増加が、睡眠効率の向上、入眠後の中途覚醒頻度の低下、および中途覚醒時間と昼寝時間の短縮に関連していることがわかった。ウォーキングは高齢者にも安全性の高い運動であり、歩行に焦点を当てた運動プログラムの推進は、高齢者の睡眠障害の予防として適切なアプローチといえる」とまとめている。

Association between objectively measured walking steps and sleep in community-dwelling older adults: A prospective cohort study
 https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0243910


※四分位範囲(IQR: interquartile range)
 データの散らばりの尺度。データを大きい順番に並べ四分割(各25%)し、上位25%の点(第1四分位)と75%の点(第3四分位)の範囲のこと。
※ ミニメンタルステート検査(MMSE:Mini Mental State Examination)
 認知症の診断用に米国で1975年、フォルスタインらが開発した質問セット。 30点満点の11の質問からなり、見当識、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力などをカバーする検査。21点以下-認知症の疑いがあると判断、22〜26点-軽度認知障害(MCI)の疑いがあると判断。
※ 睡眠効率
 就床時間に対する睡眠時間の割合のこと。


〔管理者コメント〕

 この結果から概ね70歳前後では睡眠の質の確保には5,000〜6,000歩程度以上の歩数を目安にするのが望ましいのではないかと思われる。