地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターの報告。2023年10月24日東京都健康長寿医療センターのホームページで公表。研究成果は2023年10月11日に「Preventive Medicine Reports」に掲載。
2016年6月に東京都大田区でのアンケートによる疫学調査に応答した11,194人の調査データを使用。平均年齢74.2歳、51.5%が女性。犬の飼育率は8.6%、猫の飼育率は6.3%。2020年7月まで(約4年)のペット飼育者の認知症発症リスクを調べた結果。
介護保険情報に基づく要介護認知症の新規発症率は5.0%。
犬非飼育者に対する飼育群の認知症発症オッズ比は0.60(95%CI:0.37~0.97)で有意に低下。猫非飼育者に対する飼育群のオッズ比は0.98(95%CI:0.62-1.55)で関係は認められなかった。
犬非飼育者かつ運動習慣無の群に対する犬飼育かつ運動習慣有の群の認知症発症オッズ比は0.37(95%CI:0.20~0.68)で大幅に低い結果。(上図参照)
犬非飼育者かつ社会的孤立状態に有る群に対する犬飼育かつ社会的孤立状態に無い群の認知症発症オッズ比は0.41(95%CI:0.23~0.73)で大幅に低い結果。(上図参照)
報告は、「運動習慣があり、社会的に孤立していない犬の飼い主は、認知症になるリスクが大幅に低かった。犬の世話は、運動習慣などの身体活動の維持や社会参加に貢献する可能性がある」とまとめている。
「犬の飼育を通じた運動習慣や社会との繋がりにより認知症の発症リスクが低下することが初めて明らかに」(東京都健康長寿医療センター)
https://www.tmghig.jp/research/release/2023/1024.html
「Protective effects of dog ownership against the onset of disabling dementia in older community-dwelling Japanese: A longitudinal study」(Preventive Medicine Reports)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S221133552300356X