認知症のリスクを判断するには、年齢よりもライフスタイルの方が重要である可能性 -年齢に関係なく人生を通してリスクを減らすことが大切-

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 カナダのベイクレスト高齢者医療センターAnnalizeLaPlume氏らの報告。2022年7月13日「Alzheimer’s & Dementia」に掲載。

 対象は、Cogniciti Brain HealthAssessment(ベイクレストが開発したバックグラウンドアンケートと4つの認知タスクで構成したアセスメントテスト)を完了した18〜89歳の22,117人(平均64歳、69%女性)。記憶力と注意力のテストに関する参加者のパフォーマンスと認知症の危険因子として知られている、高血圧、糖尿病、喫煙(現在または過去4年間)、難聴、外傷性脳損傷、アルコール・薬物乱用、うつ病、低学歴(高校卒業未満)の影響を調査。

 結果、高齢者(66〜89歳)は、中年(45〜65歳)および若年者(18〜44歳)よりも危険因子が多かった。多項式回帰により、追加の各危険因子は、認知能力の低下(3年の加齢に相当)と関連しており、年齢が上がるにつれて関連性が大きくなることが明らかになった。40〜70歳代に危険因子がない人は、多くの危険因子を持つ10歳または20歳年下の人と同様の認知能力を示した。

 報告は、「認知症リスクの大部分が修正可能であるという有望な証拠を提供しており、生涯にわたって認知症の予防を目標とすることは、個人および社会全体に大きな潜在的利益をもたらすという現在の推奨事項と一致している」とまとめている。


「The adverse effect of modifiable dementia risk factors on cognition amplifies across the adult lifespan」
 https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/dad2.12337