大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センターの 山本 陵平 氏らの研究グループの報告。研究成果は2023年3月22日に「Nutrients」に掲載。
18都道府県の40~74歳の特定健診受診者304,929人が対象。腎機能(推算糸球体濾過量)の変遷を中央値2.9年間追跡。
男性125,698人の1年あたりの腎機能低下(mL/分/1.73 m2/年)は、初回健診時に時々飲酒すると回答した男性と比較して、ほとんど飲まない男性と1日あたり日本酒3合相当(アルコール約60g)以上の男性で有意に大きく(上図左)、30%以上の腎機能低下のリスクも同様の傾向(上図右)。
女性179,231人では、飲酒量と腎機能低下の明らかな関連は認められなかった。女性では飲酒者が著しく少ないことがその一因かもしれない。
報告は、「1日あたり日本酒3合相当(アルコール約60g)の大量の飲酒は男性における腎機能低下のリスクであることが示された。一方、日本酒1合相当(アルコール約20g)の飲酒は、腎臓病の予防、さらには増加の一途を辿る透析患者の減少に繋がるかもしれない」とまとめている。
「日本酒3合相当(1日)以上の大量飲酒は男性の腎機能低下のリスクと関連あり」(大阪大学)
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2023/20230424_1
「Consumption and a Decline in Glomerular Filtration Rate: The Japan Specific Health Checkups Study」(Nutrients)
https://www.mdpi.com/2072-6643/15/6/1540