受動喫煙は能動喫煙とは違うメカニズムで肺がんを誘発!受動喫煙による健康被害を防ぐために、国際的に標準となっている屋内全面禁煙の法制化が望まれる結果(国立がん研究センター 他)

(アイキャッチ画像、上図は本文とは直接は関係ありません)

 国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 河野 隆志 氏、東京医科歯科大学呼吸器内科 宮崎 泰成 氏らの共同研究グループの報告。2024年4月6日双方の公式ホームページで公表。研究成果は2024年2月19日「Journal of Thoracic Oncology」に掲載。

 国立がん研究センター中央病院で手術を受けた非喫煙者女性291人、能動喫煙者女性122人を対象に肺腺がんについて、ゲノム全体にわたる変異を同定。対象者の国立がん研究センターバイオバンク参加時のアンケート結果により能動喫煙歴、10歳代及び30歳代の受動喫煙歴を回答情報を用い、受動喫煙、能動喫煙歴と遺伝子変異の関係を分析。受動・能動喫煙による遺伝子変異の誘発や特徴を調査した結果。

 受動喫煙を受けて発生した肺がんでは、受動喫煙を受けずに発生した肺がんと比べて、より多くの遺伝子変異が蓄積していることが分かった。受動喫煙は、能動喫煙とは異なるメカニズムで変異を誘発し、肺の中にできた初期の腫瘍細胞が悪性化するのを促進すると推定された。

 報告は、「受動喫煙によって変異が誘発されるメカニズムが明らかになったことで、炎症を抑えるなど、受動喫煙に対する新たな肺がん予防法が今後開発されていくことが期待される。受動喫煙と肺がんとの関連はこれまで科学的に確立されていたが、本研究によりその科学的根拠がさらに強固になったと言える。日本では改正健康増進法の下でも経過措置の形で屋内全面禁煙が十分に普及していない。受動喫煙による健康被害を防ぐために、国際的に標準となっている屋内全面禁煙の法制化が望まれる」とまとめている。


受動喫煙が肺がんの遺伝子変異を誘発することを証明(国立がん研究センター)
 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/0416/index.html
受動喫煙が肺がんの遺伝子変異を誘発することを証明(東京医科歯科大学)
 https://www.tmd.ac.jp/press-release/20240416-2/
「Passive Smoking–Induced Mutagenesis as a Promoter of Lung Carcinogenesis」(Journal of Thoracic Oncology)
 https://www.jto.org/article/S1556-0864(24)00074-1/abstract