京都府立医科大学 豊國 恵麻 氏らの研究グループの報告。研究成果は2024年4月2日の「Journal of Diabetes Investigation」に掲載。
大規模な長期コホート研究（パナソニック コホート研究）参加者で2008～18年に健診を受けた糖尿病罹患歴のない12万8,594人が対象。食行動と2型糖尿病の発生率との関係を検討。食行動は、「朝食を抜く」（朝食を抜くことが週に3回以上ある）、「夕食後の間食」（夕食後の間食が週に3回以上ある）、「寝る前に食事をする」（就寝前2時間以内に夕食を食べることが週に3回以上ある）に分類。食べる速度は「早食い」、「普通」、「ゆっくり」に分類。併せてBMI25kg/m2未満、以上で比較検討した結果。
追跡期間中（平均追跡期間：6.4年）に6,729例（5.9％）が2型糖尿病を発症。
朝食を抜く（対照：朝食を抜かない）は、ハザード比（HR）1.33、95％信頼区間（CI）1.24～1.43。早食いをする（対照：ゆっくり食べる）は、HR 1.96、95％CI 1.73～2.21。普通の速さで食べる（対照：ゆっくり食べる）は、HR 1.39、95％CI 1.23～1.57。夕食後に間食をする（対照：間食をしない）HR 1.07、95％CI 1.003～1.14。就寝前2時間以内に夕食を食べる（対照：就寝前2時間以内に夕食を食べない）HR 1.08、95％CI 1.03～1.14。（上図参照）
BMI 25kg/m2未満の集団では、朝食を抜く（対照：朝食を抜かない）HR 1.36、95％CI 1.22～1.52、 早食いをする（対照：ゆっくり食べる）HR 1.61、95％CI 1.37～1.90、普通の速さで食べる（対照：ゆっくり食べる）HR 1.42、95％CI 1.22～1.66、就寝前2時間以内に夕食を食べる（対照：就寝前2時間以内に夕食を食べない）HR 1.09、95％CI 1.02～1.17。
BMI 25kg/m2以上の集団では、朝食を抜く（対照：朝食を抜かない）HR 1.26、95％CI 1.14～1.39 以外2型糖尿病の発症リスクとの関係は見られなかった。（上図参照）
報告は、「日本人における朝食抜き、早食い、夕食後の間食、就寝前に食事をすることが、2型糖尿病を発症するリスクと関連していることを示した。特に、BMI<25kg/m2の食行動は、BMI≧25kg/m2よりも糖尿病発症リスクと関連しており、食行動に注意を払う必要がある」とまとめている。
「Eating behaviors and incidence of type 2 diabetes in Japanese people: The population-based Panasonic cohort study 15」（Journal of Diabetes Investigation）
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.14207