シンガポールのNational University of SingaporeのBenjamin K.J.Tan氏らの報告。2021年12月30日に「JAMA Otolaryngol Head Neck Surg」オンライン版に掲載。
PubMed、EMBASE、Cochrane Libraryに2021年6月18日までに登録された英語論文のうち、18歳以上の男女を対象に難聴または二重感覚喪失と死亡率との関連を検討した文献のシステマチックレビューを実施。抽出した3,220本のうち基準を満たした観察研究の26本(後ろ向き研究14本、前向き研究12本、計121万3,756例)を対象にメタ解析を実施。
難聴のある者は、聴力が正常な者と比べて、全死亡リスクは13%〔ハザード比(HR)1.13、95%CI 1.07~1.19〕、心血管死亡リスクは28%(同1.28、1.10~1.50)いずれも有意に高かった。(上図左)
難聴と視力障害の二重感覚喪失者は、正常な者と比べて、全死亡リスクは40%(HR 1.40、95%CI 1.30~1.51)、心血管死亡リスクは86%(同1.86、1.31~2.65)有意に高かった。(上図右)
報告は、「難聴と二重感覚喪失(難聴と視力障害の併存)者は全死亡リスク、心血管死亡リスクが高く、一般的な健康と長寿との関連性を考慮する必要がある」とまとめている。
「Associations of Hearing Loss and Dual Sensory Loss With Mortality」
https://jamanetwork.com/journals/jamaotolaryngology/article-abstract/2787760