生活習慣病とは?
「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」(1996年12月18日)で「成人病」との関係を明確に整理した。
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(「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」から一部引用)
4「生活習慣病」という概念の導入について
(3)「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係
以上のことから、今後、生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
「生活習慣病」の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
食 習 慣: インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣: インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫 煙: 肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫 歯周病等
飲 酒: アルコール性肝疾患等
「成人病」との関係については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。
一方、それぞれの疾病概念に含まれる疾患については、いずれも年齢あるいは生活習慣の積み重ねにより発症・進行する慢性疾患であり、また、その発症には複数の要因が大なり小なり関与するものと考えられるので、「成人病」に含まれる疾患と「生活習慣病」に含まれる疾患は重複するものが多い。
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以上により「生活習慣病」は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」とされている。
NCDとは?
「NCD(Non-Communicable Disease)」は「非感染性疾患」と訳されている。
世界保健機関(WHO: World Health Organization)では、「不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒、大気汚染などにより引き起こされる、がん・糖尿病・循環器疾患・呼吸器疾患・メンタルヘルスをはじめとする慢性疾患をまとめて総称したもの」としている。(上図参考)
生活習慣病とNCDは違うのか?違わないのか?
「生活習慣病」と「NCD」に大きな違いはなかったことから、日本では「生活習慣病」が用いられてきた。
しかし、2008年から高齢者医療確保法に基づいて特定健診 ・ 特定保健指導事業が始まったが、その「高齢者医療確保法」の第18 条の1項に規定する「生活習慣病」を「高齢者の医療の確保に関する法律施行令」で下記のように定められた。
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(「平成十九年政令第三百十八号 高齢者の医療の確保に関する法律施行令」から一部引用)
第二章 特定健康診査
(法第十八条第一項に規定する政令で定める生活習慣病)
第一条の三 法第十八条第一項に規定する政令で定める生活習慣病は、高血圧症、脂質異常症、糖尿病その他の生活習慣病であって、内臓脂肪(腹腔くう内の腸間膜、大網等に存在する脂肪細胞内に貯蔵された脂肪をいう。)の蓄積に起因するものとする。
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以上により、2008年以降は、内臓脂肪蓄積に起因しないものも含める場合は、「NCD」を用いるのが望ましいといえる。実際、健康日本21、健康運動指導士等のテキスト等においても「NCD」が用いられることが多くなっている。
〔管理者コメント〕
メタボリックシンドローム(Metabolic syndrome)を無理やり「内臓脂肪症候群」とした時点から迷走している?「生活習慣病」は、内臓脂肪の蓄積に起因するものだけではない思うのですが・・・。