牛乳やヨーグルト・チーズなど、カルシウムやたんぱく質を豊富に含む食品の摂取量を増やすことで、介護施設で暮らす高齢者の転倒や骨折リスクが低下したというオーストラリアメルボルン大学などの研究結果。2021年10月21日「BMJ」に掲載。
対象は、豪州の高齢者介護施設・60施設の入所者7195人(女性72%、平均年齢86歳)。30の介入施設(介入群)は、1日あたりのカルシウムを1,142mg、たんぱく質は1.1g/体重(kg)とし、残りの30の管理施設(対象群)は、通常の1日あたりのカルシウムを700mg、たんぱく質0.9g/ 体重(kg)を継続して比較検討。
結果、2年間の研究期間中に324件の骨折(うち股関節骨折135件)、4,302件の転倒、1,974件の死亡を観察。介入群は、すべての骨折で33%(121 v 203)、股関節骨折で46%(42 v 93)、転倒で11%(1,879 v 2,423)のリスク低減に関連(上図参照)。すべての原因による死亡率にグループ差はなかった。
報告は、「乳製品を使用してカルシウムとタンパク質の摂取量を改善することは、高齢者介護者に一般的に発生する転倒や骨折のリスクを軽減する」とまとめている。
「Effect of dietary sources of calcium and protein on hip fractures and falls in older adults in residential care: cluster randomised controlled trial」
https://www.bmj.com/content/375/bmj.n2364
〔管理者コメント〕
サプリメントを使用しないで食品で1日あたりのカルシウム1,142mg、たんぱく質1.1g/体重(kg)の摂取は、かなり多めに乳製品を摂れるか、そうでなければ、全体の食事量がかなり多くならざるを得ないと感じる。内容云々の前に「食べる力」と「使う力」が必要!?