「腹囲を身長の半分未満に保つ」は、男性の心血管疾患の発症リスクを最も正確に予測する指標!(京都府立医科大学 他)

総合・健康チェック腹囲,身長,心血管疾患

 京都府立医科大学大学院 市川 貴博 氏らの研究グループの報告。2025年9月17日 同大学ホームページにて公表。研究成果は2025年8月23日「The American Journal of Clinical Nutrition」に掲載。

 パナソニック株式会社が2008年から2021年にかけて実施した健康診断プログラムを受診した16万656人(男性11万9,510人、女性4万1,146人)が対象。主要評価項目は、心血管死、非致死性冠動脈疾患、非致死性脳卒中を含む主要心血管イベント(MACE:major adverse cardiac events)の発生率とし、BMI(Body Mass Index)、腹囲、体型指数(a body shape index)、体の丸み指数(BRI:Body Round Index)、腹囲身長比の5つの体格指標との関連を検討。

 研究成果のポイント(抜粋)

・ 13年間の追跡期間中、男性は4,027例(3.4%)、女性で372例(0.9%)が主要心血管イベントを発症。

・ 女性は、いずれの体格指標も主要心血管イベントと有意な関連は認められなかった。
・ 男性は、すべての体格指標が主要心血管イベント発症と関連していたが、腹囲身長比と体の丸み指数が、他の3つの体格指標よりもより高い予測能を持つことが明らかになった。
・ 体の丸み指数と比べて、腹囲身長比は「腹囲÷身長」と誰もが簡単に計算出来る為、日々の健康管理で特に使用が推奨される。
・ 腹囲身長比の最適なカットオフ値は0.494であり、これは近年の欧米のガイドラインが推奨する「腹囲を身長の半分未満に保つ」という基準(0.5)とほぼ一致した。


 報告は、「”腹囲を身長の半分未満に保つ”というシンプルな健康目標が、男性の心血管疾患の発症リスクを最も正確に予測する」とまとめている。



「日本人男性の将来の心血管疾患リスク、最適な指標は「腹囲身長比」~「腹囲÷身長」が従来のBMIより優れた予測精度、疾患の早期予防に期待~」(京都府立医科大学)
 https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2025/20250917press.html
「Anthropometric indices for predicting incident cardiovascular disease: a 13-year follow-up study in a Japanese population」(The American Journal of Clinical Nutrition)
 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002916525004678