産後女性のうつ症状は短鎖脂肪酸の産生に関わる腸内細菌叢と食習慣に関連!-大豆製品や発酵食品、海藻やきのこの摂取などが心身の健康に寄与する可能性-(京都大学 他)

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(アイキャッチ画像、上図は本文と直接は関係ありません)

 京都大学大学院教 明和 政子 氏、松永 倫子 氏らの共同研究グループの報告。2025年09月08日同大学ホームページにて公表。研究成果は、2025年9月2日 「PNAS Nexus」に掲載。

 日本の保育園・幼稚園・こども園の0〜4歳児を養育中の女性344名が対象。便の採取と質問紙を用いて、うつ症状と腸内細菌叢(そう)、身体状況、食生活習慣との関連を検証。

結果

 精神疾患や身体疾患のない産後女性では、うつ症状が高い者ほど腸内細菌叢の多様性が低いこと、とくに短鎖脂肪酸の中でも酪酸の産生に関わる菌(e.g., Lachnospira属、Faecalibacterium属、Subdoligranulum属)の相対量が少ないことが明らかとなった。また、対象者の食事パターンを探索的に検討した結果、野菜や肉、魚を摂取するだけでなく、大豆食品や発酵食品、海藻やきのこなどを積極的に摂取することが、産後女性のうつ気分や身体症状の緩和、腸内細菌叢の健康な状態維持に寄与する可能性が示された。


 報告は、「日本人の腸内細菌叢には日本人にあった食生活習慣が重要だと考えて研究を重ねてきた。野菜や肉、魚をバランスよく食べるだけではうつ症状に関連せず、大豆製品や発酵食品、海藻やきのこの摂取などが心身の健康に寄与する可能性が示され、日本が古くから築いてきた和食文化の奥深さを痛感した」とまとめている。


「産後女性のうつ症状は短鎖脂肪酸の産生に関わる腸内細菌叢と食習慣に関連―食生活習慣から身体とこころの健康をまもる支援を目指して―」(京都大学)
 https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-09-08
「Association of short-chain fatty acid–producing gut microbiota and dietary habits with maternal depression in a subclinical population」(PNAS Nexus)
 https://academic.oup.com/pnasnexus/article/4/9/pgaf169/8246167