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国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター Ricardo Aurélio Carvalho Sampaio 氏らの報告。研究成果は、2025年7月24日「Arch Gerontol Geriatr」に掲載。
長期縦断疫学研究(NILS-LSA:National Institute for Longevity Sciences – Longitudinal Study of Aging))のデータを使用。握力の左右差の割合を求めて3群(0~10%、10~20%、>20%)および追加で2群(0~20%、>20%)に分類して死亡リスクとの関係を検討。最終分析対象は40歳以上の3,420名(男性1,694名、女性1,726名)。追跡期間は17.1±5.0年。
結果:
・ 男性の「0~10%群」は66.7%、「10~20%群」は24.2%、「>20%群」は9.1%。女性の「0~10%群」は57.3%、「10~20%群」は27.9%、「>20%群」は14.7%。
・ 3群間での比較では、「0~10%群」を基準とすると、男性の「>20%群」の死亡リスクが40%(ハザード比[HR]:1.40、95%信頼区間[CI]:1.04-1.88)高かった。女性は関連が見られなかった。
・ 2群間での比較では、「0~20%群」を基準とすると、男性は、死亡リスクが34%(HR: 1.34、95% CI: 1.00-1.78)高く、女性は、30%(HR: 1.30、95% CI: 1.00-1.71)高かった。
報告は、「本研究結果は、握力の左右差が死亡リスクに影響する貴重な知見を提供し、高齢化社会における筋機能の理解に貢献する可能性を示唆している」とまとめている。
「High hand-grip strength asymmetry and mortality risk in community-dwelling Japanese middle-aged and older adults: Results from the National Institute for Longevity Sciences-Longitudinal Study of Aging」(Arch Gerontol Geriatr) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40737809/