マウスによる実験結果「不規則な生活習慣による体内時計の乱れは、脂肪の動員を阻害し、脂肪細胞への脂質蓄積を引き起こし、肥満や関連疾患のリスクを高める!」(日本大学)

 日本大学薬学部の 石井 宏剛 氏らの研究グループの報告。 2025年2月4日日本大学のホームページにて公表。研究成果は、2025年2月3日「Jnpj Biological Timing and Sleep」に掲載。

 脂肪細胞特異的に体内時計機能を低下させたマウスを作製し、正常なマウスと肥満の関連を解析した結果。

以下主な結果

 不規則な生活習慣により体内時計の機能が低下することにより
1 脂肪細胞が肥大化する。
2 脂肪細胞の肥大化は、細胞のインスリン感受性(効き方)が高まるためである。
3 インスリン感受性が高まるのは、脂肪細胞からインスリン感受性を高めるホルモンである FGF21*が多く作られるためである。
4 FGF21量は、体内時計によってコントロールされている。
(上図参照)

 報告は、「交代勤務や高脂肪食などの不規則な生活習慣による体内時計の乱れは、脂肪の動員を阻害し、脂肪細胞への脂質蓄積を引き起こし、肥満や関連疾患のリスクを高める可能性がある」とまとめている。

*FGF21
 「Fibroblast growth factor 21」の略。主に肝臓や脂肪細胞で産生・分泌される。インスリンの感受性を高める作用を持つ。


「健康衛生学研究室の榛葉繁紀教授を中心とする研究グループが、不規則な生活により太るメカニズムを解明しました」(日本大学薬学部)
 https://www.pha.nihon-u.ac.jp/education-info/20250205/
「Deletion of Arntl, a component of the molecular clock, in adipocytes leads to cellular hypertrophy by increasing insulin sensitivity via FGF21」(Jnpj Biological Timing and Sleep)
 https://www.nature.com/articles/s44323-025-00023-7