座位時間を減らすことが「健康的な加齢(Healthy Aging)」につながる! -20年間の追跡調査結果-

(アイキャッチ画像、上図は本文とは直接は関係ありません)

 ハーバード大学 Hongying Shi氏らによる報告。詳細は2024年6月11日「JAMA Network Open」に掲載。

 女性の慢性疾患のリスクの要因を調査する「Nurses’ Health Study」の参加者で、1992年時点で、慢性疾患は持っていない50歳以上の4万5176人の女性(平均年齢59.2歳)が対象。

 座位行動および低強度の身体活動(LPA:light-intensity physical activity)と「健康的な加齢(Healthy Aging)」との関連を20年間前向きに調査。

 座位行動は、座位でテレビを見ている時間、座位で仕事をしている時間、その他の家庭での座位時間。低強度の身体活動は、家庭と仕事でそれぞれ立ったり歩いたりして過ごす時間として調査。「健康的な加齢(Healthy Aging)」は、4つの健康領域(慢性疾患、身体機能、記憶、精神衛生)に問題がないを維持しながら少なくとも70歳まで生存することと定義。

結果

 45,176人の対象者者のうち、3,873人(8.6%)が「健康的な加齢(Healthy Aging)」を維持。
 中高強度の身体活動(MVPA:moderate to vigorous physical activity)など結果に影響を与える因子を調整して解析した結果、座ってテレビを見る時間が1日2時間増えるごとに「健康的な加齢(Healthy Aging)」の確率が12%低下。逆に、低強度の身体活動時間が1日2時間増えるごとに、「健康的な加齢(Healthy Aging)」の確率が6%上昇。また、座位でテレビを見る時間のうち1日1時間を、中高強度の身体活動に置き換えと「健康的な加齢(Healthy Aging)」の確率が28%上昇。
 1日7時間以下の睡眠時間の対象者では、テレビの時間を睡眠に置き換えることも、「健康的な加齢(Healthy Aging)」の確率上昇と関連。


 報告は、「今回の報告は、座位行動を軽度または中程度から激しい身体活動に置き換えると死亡率が低下するというこれまでの報告を補完するもの。高齢期に最適な健康を達成するために活動的なライフスタイルを推進するための重要なエビデンスを提供するものである」とまとめている。


「Sedentary Behaviors, Light-Intensity Physical Activity, and Healthy Aging」(JAMA Network Open)
 https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2819832