千葉大学医学部附属病院 阿部 幸喜 氏らの報告。研究成果は2023年11月18日「Journal of Orthopaedic Science」に掲載。
2018年の人口動態統計を使用して、高齢者(年齢80歳以上)の骨粗鬆症による股関節または脊椎骨折による死亡者数をレビュー。次に、年間約140万件の個人死亡証明書のデータを使用して同一平面での転倒による股関節または脊椎の骨折による高齢者(年齢80歳以上)の死亡者数を計算。両データを組み合わせて、骨粗鬆症による実際の死亡者数を推定した結果。
2018年の人口動態統計データを解析した結果、骨粗鬆症に関連する死亡は190人。
個人死亡証明書のデータによる同一平面での転倒による大腿骨頸部骨折は2,563人、脊椎骨折は874人の合計3,437人で、骨粗鬆症性脆弱性骨折の診断基準に合致。このことから、実際の骨粗鬆症による死亡者数は、3,437人に人口動態統計データの骨粗鬆症による死亡者数190人を加えた3,627人と推定。(上図参照)
報告は、「骨粗鬆症による実際の死亡者数は公表されている値よりもはるかに多い可能性があることを示唆。骨粗鬆症による実際の死亡者数に関するさらなる議論と、死亡診断書に正確な死因を記録するための臨床医への再教育の基礎として機能することを願う」とまとめている。
「Deaths caused by osteoporotic fractures in Japan: An epidemiological study」(Journal of Orthopaedic Science)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0949265823002853