鹿児島大学医学部 白土 大成 氏らの研究グループの報告。伊藤園の共同研究。2023年10月17日伊藤園のホームページで公表。研究成果は2023年9月11日「Geriatrics & Gerontology International」に掲載。
2021年に、垂水研究(鹿児島大学と垂水市が協力して行っている研究)で、地域在住の65歳以上の高齢者336人(平均年齢74.6歳±5.9歳、女性58.3%)を対象に行ったコホート研究。
未開栓のペットボトル製品(「お~いお茶 緑茶」525mlペットボトル)を着席した状態で通常の方法で開けてもらい、開栓の動作を観察し、キャップの握り方を側腹つまみ、逆筒握り、筒握り、3指つまみの4パターンに分類。筋力は利き腕の握力を測定して関係を分析。
開栓動作は「側腹つまみ」248名(73.8%)、「逆筒握り」55名(16.4%)、「筒握り」20名(6.0%)、「3指つまみ」13名(3.9%)。握力は、測定結果を、性別ごとに第1四分位値(男性27.8kg、女性18.4kg)をカットオフ値とし、カットオフ値以下を「筋力低下」と定義。
これらをロジスティック回帰分析した結果、「逆筒握り」は「側腹つまみ」と比較し、筋力低下と有意な関連が認められた。「筒握り」「3指つまみ」では有意な関連は認められなかった。
報告は、「地域在住高齢者において「逆筒握り」でペットボトルを開ける動作を行うことが筋力低下と関連することが示唆され、ペットボトルの開栓動作パターンと筋力低下が関連することを確認した」とまとめている。
「ペットボトルの開け方で筋力低下を簡便に把握できる可能性を確認」(伊藤園)
https://www.itoen.co.jp/news/article/57372/
「Association between muscle weakness and cap-grasping patterns when opening plastic bottles in community-dwelling older adults」(Geriatrics & Gerontology International)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/ggi.14655