後期高齢者はフレイルになる前の運動による社会参加の促進が重要(畿央大学)

 畿央大学理学療法学科 高取 克彦 氏らの報告。研究成果は2023年5月「BMJ Open」に掲載。

 2016年4月から5月にかけて追跡調査アンケートに回答した、長期介護を必要としない75歳以上の地域在住の高齢者4,249名が対象。
 後期高齢者の社会参加活動(運動を中心とした社会活動、趣味に基づいた社会活動、地域に根ざした社会活動、ボランティア・NPO活動)の増減と、近隣住民との交流、地域への信頼度の増減が、フレイルステージ(フレイル・プレフレイル・健常)の変化にどのように影響するかを、4年間の前向き追跡調査で検討。

 

 フレイル群のステージ改善に有意に影響する社会参加活動は認められなかった。
 プレフレイル群は、運動を中心とした社会活動の増加は改善要因だった(オッズ比2.43、95%信頼区間1.08-5.45)。一方、地域に根ざした社会活動の減少は、プレフレイルからフレイルへの悪化因子だった(オッズ比0.46、95%信頼区間0.22-0.93)。(上図下左参照)
 健常群は、地域に根ざした社会活動の増加がフレイルに対する防御因子であった(オッズ比0.49、95%信頼区間0.28-0.81)のに対し、地域への信頼度の低下は悪化因子だった(オッズ比1.87、95%信頼区間1.38-2.52)。(上図下右参照)

 報告は、「後期高齢者の社会参加活動はフレイルの発症を防ぐ効果がある。特にプレフレイルでの運動を中心とした社会活動を促進することが重要である」とまとめている。


「後期高齢者のフレイルはそのステージにより改善・悪化因子が異なる可能性~運動系社会参加活動の増加は前フレイルから健常への移行に寄与」(畿央大学)
 https://www.kio.ac.jp/topics_press/79686/
「Effects of social activity participation and trust in the community on the transition of frailty classification in late-stage older adults: a 4-year prospective cohort study」(BMJ Open)
 https://bmjopen.bmj.com/content/13/5/e072243