滋賀医科大学の 矢野 裕一朗 氏らの報告。2022年9月23日「Epidemiology and health」に掲載。
2017年度の経済産業省調査と2017~2020年度の財務指標データの双方を得られた842社、および、2018年度経産省調査と2018~2020年度の財務指標データの双方を得られた751社の計1,593社(n=4,359,834人)が対象。ベースライン時の従業員の平均年齢は40.3歳、女性の割合は25.8%。組織の収益性に関連する要因を特定し、各要因の貢献度をSHAP値(SHapley Additive exPlanation)を求めて比較検討。
結果
企業利益の増加に最も貢献していた要因は、現在喫煙している従業員の割合(SHAP値 0.121)。その他、従業員一人当たりの健康サービス費用(同 0.084)、従業員一人当たりの医療サービス(同 0.050)。営業部門に勤務する正社員の割合(同 0.074)、物流部門、カスタマーサービス部門で働く正社員の割合(同 0.054)。よく眠る従業員の割合(同 0.055)。定期的に運動する習慣のある従業員の割合(同 0.043)。従業員一人当たりの年間福利厚生費(同 0.041)。年度中に退職した従業員の数(同 0.038)。「その他の役割」部門に配属された従業員の割合(同 0.036)。(上図参照)
報告は、「ライフスタイルの健康リスク要因は、組織の収益性と関連していた。従業員の生産性を引き下げる健康上のリスクを特定して対処する投資が利益をもたらす」とまとめている。
「The associations of the national health and productivity management program with corporate profits in Japan」(Epidemiology and health)
https://www.e-epih.org/journal/view.php?doi=10.4178/epih.e2022080