明るい寝室で寝ると肥満、脂質異常、全身性炎症、うつ症状、睡眠障害のリスクが高くなる!(奈良県立医科大学)

(アイキャッチ画像、上図は本文とは直接は関係ありません)

 奈良県立医科大学 大林 賢史 氏らの報告。2022年9月21日「Environmental Research」に掲載。
 奈良県に居住する40歳以上の一般成人3,012人が対象。照度計の設置位置が適当でないと判断された者などを除く2,947人(平均年齢69.3±7.8歳、女性60.6%)の結果を分析。

 結果

 睡眠中の寝室照度の中央値は1.0ルクス。
 潜在的な交絡因子を調整した多変量解析では、寝室照度が最も高い四分位数グループは、最低四分位グループよりも体重、BMI、腹囲、LDLコレステロール値が有意に高かった。
 寝室照度の中央値が10ルクス以上のグループは、寝室照度の中央値が10 ルクス未満のグループに比べて、白血球数が有意に高く全身性炎症の亢進を示唆、また、LDLコレステロール値が有意に低かった。
 寝室照度の中央値が3ルクス以上および10ルクス以上のグループは、3ルクス未満および10ルクス未満のグループよりも、睡眠障害、抑うつ症状のオッズ比が有意に高かった。

 報告は、「寝室の明るさが、肥満、脂質異常、全身性炎症、睡眠障害、うつ症状と有意に関連していることが示された。メカニズムについては、夜間の光曝露による睡眠障害やメラトニン分泌の減少が白血球数を増加させたのではないか」とまとめている。


「Associations between indoor light pollution and unhealthy outcomes in 2,947 adults: Cross-sectional analysis in the HEIJO-KYO cohort」
 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0013935122016772