ダイエットサポートアプリによる体重減量効果を科学的に実証 -アプリは短期的に減量を促進する-(筑波大学)

 国立大学法人筑波大学 中⽥ 由夫 氏らの報告。2022年11⽉10⽇「TSUKUBA JOURNAL」のプレスリリース。研究成果は 2022年11⽉2⽇「Nutrients」に掲載。

 過体重または肥満の日本人成人の減量に対するスマートフォン ヘルスケア アプリ「CALO mama Plus」の効果を調べることが目的。対象者に対する説明会や調査をすべてオンラインで実施する「⾮接触型」で実施。

 対象者は141名。(1)年齢20~65歳 (2)肥満度指数(BMI)23~40kg/m2 (3)スマートフォンにヘルスケアアプリをインストールできる方(4)研究の目的と内容を理解し、文書によるインフォームドコンセントを提供したオフィスワーカー。除外基準は、(1)心臓または脳血管疾患の病歴 (2)現在妊娠中または試験中に妊娠を希望している (3)過去6か月間に体重の有意な変化を示した (4)その同居家族が本研究に参加した者および (5)その他の理由により研究代表者が本研究に不適当と判断した者。

 対象者を、ダイエットサポートアプリを使う「介⼊群」72名と使わない「対照群」69名にランダムに割付。「介⼊群」には3ヵ⽉間アプリを使⽤し、人工知能(AI:artificial intelligence)によるアドバイスに従って⽣活習慣の改善に取り組んでもらい、「対照群」にはこれまで通りの⽣活を続けてもらい、介⼊期間前後の体重等を比較検討。

結果

 体重は、「介⼊群」は−2.4±4.0 kg、「対照群」は−0.7±3.3 kgの変化が⾒られた。 関連する複数の変数で調整した共分散分析の結果、両群間には−1.60 kg(95%信頼区間−2.83〜−0.38 kg、p=0.011)の有意な群間差が認められた。(上図参照)

 報告は、「アプリが短期的に減量を促進し、潜在的に個人の健康を高めるための費用対効果の高いオプションである可能性があることを示唆している」とまとめている。


「ダイエットサポートアプリによる体重減量効果を科学的に実証」(PDFファイル)
 https://www.tsukuba.ac.jp/journal/pdf/p20221110141500.pdf
「A Smartphone Healthcare Application, CALO mama Plus, to Promote Weight Loss: A Randomized Controlled Trial」
 https://www.mdpi.com/2072-6643/14/21/4608/htm


〔管理者コメント〕

 現場での指導に際して、確かにアプリの活用は短期の減量に効果的と感じています。ただ現場での驚きは、体重を気にしていながら、体重を毎日(最低でも週3回以上)計っていない人の多さです。