非高齢者の主観的な歩行速度と心不全、心筋梗塞、狭心症、脳卒中のリスク(東京大学 他)

 東京大学医学部附属病院循環器内科の金子英弘氏らの報告。2022年7月8日「Scientific Reports」に掲載。

 2005年1月~2020年4月の医療費請求データベースから、心不全・心筋梗塞・狭心症・脳卒中・腎不全の既往者、年齢20歳未満、および解析に必要なデータの欠落者を除外した265万5,359人(年齢中央値45.0歳、男性55.3%)が対象。主観的な歩行速度は、健康診断の際の「同世代の他者より歩行速度が速いと思うか?」との質問で判定して「速いと回答した群」(46.1%)と「遅いと回答した群」に分類。心不全、心筋梗塞、狭心症、脳卒中等との関係を比較検討。

結果

 平均1,180±906日の追跡期間中に、心不全、心筋梗塞、狭心症、脳卒中は、それぞれ参加者の 1.9%、0.2%、1.9%、1.0% 発生。

 歩行速度が「速いと回答した群」は「遅いと回答した群」よりも心不全発症リスクが9%有意に低いことが示された〔ハザード比(HR)0.91(95%信頼区間0.90~0.93)〕。同様に、心筋梗塞〔HR0.90(同0.86~0.95)〕、狭心症〔HR0.94(0.92~0.95)〕、脳卒中〔HR0.94(0.92~0.96)〕のいずれについても、「速いと回答した群」の方が有意に低リスクだった。(上図参照)

 報告は、「主観的な歩行速度が、一般集団における心不全、およびその他の心血管疾患のイベントのリスクを層別化するための簡単な方法である可能性があることを示した」とまとめている。


「Clinical utility of simple subjective gait speed for the risk stratification of heart failure in a primary prevention setting」
 https://www.nature.com/articles/s41598-022-13752-7