歩行の量は大切だが、歩行の質がより大切な結果!

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 南デンマーク大学 Borja del Pozo Cruz氏、シドニー大学 Matthew Ahmadi氏らの報告。2022年9月6日「JAMA Network Open」に掲載。

 英国バイオバンクのデータを利用して、40歳から79歳までの英国の成人78,500人の歩数データと7年後の健康状態(認知症、心臓病、がん、全死亡など)を関連付けて検討。身体活動は、手首の加速度計を装着して、7日間測定(週末を含めて最低3日間、睡眠期間中のモニタリング)。

結果(一部抜粋)

・ 2,000歩ごとに早死のリスクが8~11%ずつ減少し、1日に約10,000歩までリスクは減少。心血管疾患とがんの発生率についても同様の関連性が見られた。
・ 1日の歩数が多いほど、全原因認知症のリスクが低かった。認知症のリスクを50%低下させる歩数の最適歩数は9,826歩(HR 0.49; 95%CI 0.39-0.62)、 最小歩数は3,826 歩 (HR 0.75; 95%CI 0.67- 0.83)。
・ ステッピングの強度またはより速いペースは、毎日の総歩数を超えて、すべての結果(認知症、心臓病、癌、全死因)に有益な関連性を示した。30分間ケイダンス(ピッチ)ピークが1分あたり112歩でリスクは62%減(HR 0.38; 95%CI 0.24-0.60)。

 報告は、「1日あたりの歩数は、全死因、認知症発症のリスク低下と関連しており、最適な歩数は1日あたり9,800歩と推定された。また、歩行速度は総歩数より全死因、認知症発症のリスク低下と強い関連を示した」とまとめている。


「Association of Daily Step Count and Intensity With Incident Dementia in 78 430 Adults Living in the UK」
 https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/article-abstract/2795819