大豆製品摂取と認知症リスクとの関連(多目的コホート研究)

 多目的コホート研究(JPHC Study:Japan Public Health Center-based prospective Study)の報告。2022年7月5日「European Journal of Nutrition」に掲載。

 平成5年(1995年)と平成8年(1998年)に、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、高知県中央東の5保健所(呼称は2019年現在)管内に在住で、調査開始時のアンケートに回答した45~74歳の41,447人(男性18,991人、女性22,456人)が対象。平成28年(2016年)まで追跡した調査結果にもとづいて、大豆製品摂取と要介護認定情報から把握した認知症との関連を調査。

 結果、大豆製品の総摂取量は、男性と女性の両方で認知症のリスクを無効にすることとは関連していなかったが、個々の大豆製品では、納豆の摂取量は、女性の認知症の障害とわずかに逆相関していた(傾向P=0.050)。

 年齢で層別すると、この逆相関は60歳未満の女性でより明確だった(最高五分位と最低五分位の多変量HRは0.78、95%CI 0.59–1.04、傾向P=0.020、60歳未満および0.90、95 %CI 0.77–1.05、60 歳以上の人の傾向P=0.23)。(上図参照)

 大豆製品やイソフラボンの摂取は、男性の認知症リスクとの関連はみられなかった。

 報告は、「大豆製品の総摂取量は認知症のリスクとの関連はなかったが、納豆の摂取は、女性、特に60歳未満の女性の認知症リスクを減らすのに役立つ可能性がある」とまとめている。


大豆製品摂取と認知症リスクとの関連(多目的コホート研究)
 https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8937.html