カナダ・トロント大学 Nicholas A Howell 氏らの報告。2022年2月24日「Endocrine Reviews」に掲載。
研究チームは、構築された環境とその公衆衛生への影響に関するいくつかの研究をレビューした結果。
・ 32,767人を対象とした大規模な研究では、歩きにくい地域に住む成人の肥満の有病率は53%対して、歩きやすい地域に住む成人では43%。
・ 血糖値が正常な110万人の成人を対象とした研究では、8年間の追跡調査の後、歩きにくい地域に住む人々の糖尿病予備軍の発生率が20%高かった。
・ 160万人の成人を対象とした研究では、歩きにくい地域の人々が糖尿病を発症する可能性は、歩きやすい地域より30%から50%高かった。
・ カナダの研究では、歩けない近所から歩きやすい近所に移動すると、高血圧と診断されるリスクが54%低下。
・ ファーストフード店や大気汚染が少なく、緑地が近くにあることは、肥満と糖尿病のリスク低減と関連。
報告は、「今後の研究において、どのような要因の組み合わせが肥満や糖尿病に対して最大の予防効果を持つかを明らかにするための重要な問題を提起している。より健康的な地域とはどのようなものかを明らかにすることで、都市環境が健康に与える影響についての理解が深まり、健康的な環境政策を成功させることができるようになる」とまとめている。
「The Weight of Place: Built Environment Correlates of Obesity and Diabetes」
https://academic.oup.com/edrv/advance-article/doi/10.1210/endrev/bnac005/6532493
〔参考〕
(サイト内リンク)「(解説)ゼロ次予防と街づくりの紹介」(healthy-life21.com)
https://healthy-life21.com/2020/03/10/20200310/