公益社団法人日本整形外科学会は、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)※1の段階を判定するための臨床判断値に新たに「ロコモ度3」を設定(下図参照)。
同学会は全年代におけるロコモ判定を目的として2013 年に「ロコモ度テスト」※2を発表。2015 年にロコモ度テストに「ロコモ度1」「ロコモ度2」からなる「臨床判断値」を制定。この度、ロコモがどの程度進行することで投薬や手術などの医療が必要となり、医療によってロコモがどのように改善するかを検証し、ロコモとフレイル※3の関係性を研究した成果をもとに新しい臨床判断値として「ロコモ度3」を制定した。これにより、ロコモ医療対策に関する根拠、高齢者健診から医療への橋渡しなどが期待される。
今後、同学会の下部組織である「ロコモ チャレンジ!推進協議会」(https://locomo-joa.jp/)※4で実施した、ロコモ度テストの性・年代別基準値も合わせて公表し、ロコモに該当しない方が同年代の基準値と比べられるようするとのこと。
※1 「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」とは、運動器の障害のために移動機能が低下した状態を指す。「ロコモ」は省略標記。
※2 「ロコモ度テスト」は移動機能を調べるテスト。「立ち上がりテスト(下肢筋力を調べる)」、「2ステップテスト(歩幅を調べる)」、「ロコモ 25(身体状態・生活状況を調べる)」という3つのテストで構成。
※3 フレイル(Frailty)とは、「健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体機能や認知機能の低下がみられる状態」を指す。(東京都健康長寿医療センター研究所)
※4 「ロコモ チャレンジ!推進協議会」(https://locomo-joa.jp/)では、ロコモティブシンドローム予防、改善のためのロコトレ(ロコモーショントレーニング)も紹介している。
ロコモ度を判定する「臨床判断値」に「ロコモ度3」を追加(公益社団法人 日本整形外科学会)(PDFファイル)
https://www.joa.or.jp/media/comment/pdf/20200911_clinical_judgment_value.pdf
〔管理者コメント〕
「ロコモ25」は、エビデンスレベルが高くても、質問数が多く、ネガティブな回答が求められるので答えていくうちにイヤになります。使用制限もあり、正直なところ普及するとは思えないです。