(解説)Draw in(ドロー・イン)で要(かなめ)すっきり(healhty-life21.com)

ー メタボもロコモ※も予防する。最も手軽で効果的な身体活動のご紹介 ー

 「かんじんかなめ」の「かんじん」は「肝心」とも「肝腎」とも書きます。肝臓と心臓、肝臓と腎臓。人間にとっての大事な臓器が語源です。また「かなめ」は「要」と書きます。これは、扇の骨をとじ合わせるために、その末端に近い部分に穴をあけてはめ込む釘のことをいいます。「要」が不具合を起こすと扇はその機能をなさなくなることから「最も大切な部分」という意味で用いられています。では、身体活動の要はどこにあるのでしょうか?

 姿勢のよい女性に下腹の力をゆるめて立ってもらったのが左の写真です。膝、お尻、胸は緩み、背は丸くなり、頭は前に傾いて・・・。下腹のゆるみが姿勢バランス全体を悪くしています。また、活力さえも失われて見えます。同様に下腹の力をゆるめた状態から、腰を強く前に押し出し、強く胸を張った姿勢が右の写真です。活力を感じられないことはありませんが、脚の前への動きを制限するとともに腰への負担増により腰痛の発症リスクが高くなることが伺えます。

 これらに対して①下腹のラインが床と垂直になるように意識し、②腹部全体を斜め上後ろに引き上げるようにドローインしながら、③背筋を伸ばし、軽く胸を張って立ったのが中央の写真です。

 「かんじんかなめ」に戻りますが、「かん」は「肝臓」のことでした。過食、間食、甘いものの摂りすぎ、動物性脂肪の摂りすぎ、夜遅い食事、アルコールの摂りすぎや運動不足などが原因で、内臓に脂肪が蓄積して脂肪肝に陥っても「要」は機能しなくなります。

 ドローインは、姿勢バランスを整えるだけではありません。それぞれの写真の姿勢で歩く姿をイメージしてみてください。中央は、左右に比べて、重心が高くなり、脚の前後の動きの自由度が高まり、自然に活動性が向上します。その結果、エネルギー消費量が大幅に増え内臓脂肪の蓄積も予防します。

 顔を洗った後、お出かけ時の姿鏡の前で、お手洗いの行き帰りに、電車やバスに乗る時、チョットした気分転換の際・・・などなど。動きの変り目を中心に、下腹の形を意識してドローインしましょう!いつでも、どこでも、何度でも♪♪ドローインです。油断をするとゆるみがちな下腹を持ち上げるようにドローインさせる動きは、健康で、美しく、力強く、活力のある・・・「勢いのある姿(姿勢)」の「要」です。


※ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の略
具体的には、骨、関節、筋肉といった運動器の機能が衰えることにより日常生活での自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになるリスクの高い状態のことをいいます。詳細については、ロコモチャレンジ!(日本整形外科学会公認ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトhttps://locomo-joa.jp/ )をご覧ください。