(解説)フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアを予防するための身体活動の取り組みのポイント(healthy-life21.com)

 フレイル※1、ロコモティブシンドローム※2、サルコぺニア※3の関係を整理したものが上図。フレイル>ロコモティブシンドローム>サルコペニアの関係が見て取れる。

※1フレイル(Frailty)
 高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態。構成要素には身体的問題だけでなく、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題が含まれる。
※2ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)
 運動器の障害によって「立つ、歩く」という移動機能が低下した状態。 対象は高齢者だけでなく若年成人を含む
※3サルコペニア(Sarcopenia)
 高齢期にみられる骨格筋量の減少と筋力もしくは身体機能(歩行速度など)の低下した状態。

 上図は、2012年から2013年にかけて行われた変形性関節症/骨粗鬆症に対する研究(ROAD)の3回目の調査結果。60歳以上の地域在住高齢者963人(男性321人、女性642人)が対象。
 ロコモ度1(下図参照)以上に該当した人は89.0%、フレイルに該当した人は4.5%、サルコペニアに該当した人は8.6%。フレイルに該当した人は全てロコモ度1以上に該当し、サルコペニアに該当した人も0.1%を除いて、ロコモ度1以上に該当している。

 この結果は、ロコモ度1を予防することで、フレイルやサルコペニアをほとんど予防できる可能性を示唆している。

 つまり、具体的な健康づくり身体活動としては、下肢筋力とバランストレーニングを中心としたロコトレ(ロコモーショントレーニング)(下図参照)に取り組むことが大切である。

〔管理者コメント〕

 フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアはもちろん、ロコモ度1、ロコモ度2、ロコトレなどの定義は時代の流れとともに変化しています。常に整理しておくことが大切です。