認知症は12のリスク要因を改善することにより約40%予防可能(ランセット委員会)

 世界をリードする認知症の専門家からなるランセット委員会が、体系的な文献レビュー、メタ分析、および個々の研究を含む、この分野で最も優れたあらゆるエビデンスについて行った調査分析結果。
 同委員会は2017年に「教育」、「難聴」、「高血圧」、「肥満」、「喫煙」、「うつ病」、「社会的孤立」、「運動不足」、「糖尿病」9つのリスク要因を改善することにより発症を遅らせたり、発症を約35%ほど予防する効果が期待できると報告した。その結果に、当時エビデンス(科学的根拠)不足であった「食事」「飲酒量」「視覚障害」「大気汚染」「睡眠」のうち「飲酒量」、「大気汚染」の2リスク要因に「頭部外傷」を加え2020年7月30日に発表。
 認知症に関連する12のリスク要因を改善することで、発症を遅らせたり、発症を約40%ほど予防する効果が期待できるという。(上図参照)

「Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission」The Lancet Journal
 https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30367-6/fulltext


〔管理者コメント〕

 報告には認知症との関係が指摘されている「食事」「視覚障害」「睡眠」については十分なエビデンスが構築されていないことから含まれていません。これらが含まれるとまだまだ改善は望める!


〔参考〕

 ランセット委員会の前回の報告(下図参照)