2020年4月1日 75歳以上を対象としたフレイル健診が始まりました(厚生労働省)

 2020年4月1日から75歳以上の後期高齢者を対象にした「フレイル健診」を開始。

 フレイルとは、健常から要介護へ移行する中間の段階といわれている。フレイルは、身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題が含まれる多面的な概念で、75歳以上で全国で350万人があてはまると推計されている。フレイルの状態になると、ストレスに対する回復力が弱くなり要介護や寝たきりに陥るリスクが高くなる。しかし、フレイルの状態は適切に生活習慣を改善することで健常な状態に戻ることができる状態でもある。

 後期高齢者医療制度の健診については、制度発足当時より特定健診の項目に準じて実施し、質問票も特定健診に準じて「標準的な質問票」が活用されてきた。しかし、「標準的な質問票」はメタボリックシンドローム対策に着目した質問項目が設定されており、フレイルなどの高齢者の特性を把握するものとしては十分なものとはいえないことが課題とされてきた。

 そこで、厚生労働省は2019年10月に、「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版」(別添資料には、75歳以上の後期高齢者を対象に、運動や食生活の習慣、物忘れの有無など、フレイルの状態になっているかチェックする「後期高齢者の質問票」(上図参照)など)を公表。2020年4月から、フレイルの早期発見及び専門職による指導や助言をもとに重症化の予防を推進することを目的に「フレイル健診」を開始した。

「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版」(厚生労働省)
 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000204952_00001.html