(解説)所得格差(経済格差)は健康格差を生じる”所得により生活習慣や食生活に差” (healthy-life21.com)

 2020年1月14日厚生労働省は「2018年国民健康・栄養調査」の結果を発表。下表は今回追加された所得等社会経済状況と生活習慣等に関する状況結果より作表、作図。

1  食塩摂取量は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、男性では200万円未満の世帯員で有意に少ない。また、野菜摂取量は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、男性では200万円未満及び200万円以上400万円未満の世帯員で有意に少ない。さらに、果物摂取量が100g未満の者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、女性では200万円未満の世帯員で有意に高い。

2 歩数の平均値は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、男性では200万円未満の世帯員で有意に少なく、女性では200万円未満、200万円以上400万円未満及び400万円以上600万円未満の世帯員で有意に少ない。

3  現在習慣的に喫煙している者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、男性では200万円未満及び200万円以上400万円未満の世帯員で有意に高く、女性では200万円未満の世帯員で有意に高い。

4  生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、男性では200万円未満及び400万円以上600万円未満の世帯員で有意に低い。

5  睡眠による休養が十分にとれていない者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、女性では200万円未満の世帯員で有意に高い。

6  健診の未受診者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、男女ともに200万円未満、200万円以上400万円未満及び400万円以上600万円未満の世帯員で有意に高い。

7  やせの者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、男性では200万円以上400万円未満の世帯員で有意に高い。

8  歯の本数が20歯未満と回答した者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、男性では200万円未満、200万円以上400万円未満及び400万円以上600万円未満の世帯員で有意に高く、女性では200万円未満及び200万円以上400万円未満の世帯員で有意に高い。


〔管理者コメント〕

 国民の所得の分布が正規分布に近づく国にならなければ国民全体の健康状態はよくならないと強く感じる。

 上図は2018年の「所得金額階級別世帯数の相対度数分布」をグラフ化したもの。上表の年間所得600万円、400万円、200万円で区切って見れば、いかに多くの国民が所得格差により健康状態を悪くする恐れを有しているのかが見て取れる。