〔フレイルとは〕
高齢者が要介護状態に陥る過程には意図しない衰弱、筋力の低下、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下など健康障害を起こしやすい脆弱な状態(中段階的な段階)を経ることが多くなります。2014年5月日本老年医学会がこれらの状態を表した「Frailty」の日本語訳として「フレイル」を提唱しました。
フレイルの特徴は、筋肉量の低下などによる体重減少、認知機能や精神活動の低下を含めた日常生活活動能力全体を捉えています。フレイルは、「健康寿命」と密接に関係しており、生活習慣等の改善により健康な状態を取り戻すことが出来る状態を表しています。
〔サルコペニアとの違い〕
サルコペニアはフレイルの原因の一つです。サルコペニアが筋肉量減少を主体として筋力、身体機能の低下を主要因としているのに対して、フレイルは移動能力、筋力、バランス、運動処理能力、認知機能、栄養、疲労感などを包括的にとらえています。
〔フレイルの定義〕
1 体重減少
意図しない年間4.5㎏または5%以上の体重減少
2 主観的疲労感
「何をするのも面倒、何かをはじめることができない」と週に3~4日以上感じる
3 日常生活活動量の減少
1週間の活動量が男性:383kcal未満、女性:270kcal未満
4 身体能力(歩行速度)の減少
標準より20%以上の低下
5 筋力(握力)の低下
標準より20%以上の低下
〔簡易フレイルスコア〕
フレイルの定義が一般の方には大変わかりにくい。また、厚生労働省が作成した「基本チェックリスト」が25項目もあることから
国立長寿医療研究センターは、