熊本大学大学院生命科学研究部 宮本 健史 氏らの研究グループの報告。2023年8月18日熊本大学のホームページで公表。研究成果は2023年8月15日「Bone」に掲載。
多施設共同研究により大腿骨骨折患者1,395名、非大腿骨骨折患者1,075名を登録。骨折リスクについて機械学習を用いて網羅的に評価。8個のリスク因子を同定。各因子の大腿骨骨折発生に対する重要度についても同様に機械学習を用いて評価を行い、各因子の重要度をスコア化。
8個のリスク因子は、(1)日常生活動作レベル、(2)ロコモーティブシンドローム、(3)過去12ヶ月以内の転倒歴、(4)1日あたりのお茶の摂取、(5)認知機能、(6)骨粗鬆症の薬物治療、(7)歩行状態、(8)歩行時間。
それぞれの因子について、大腿骨骨折発生に対する寄与度を機械学習を用いて判定し、寄与度に応じたスコアを付した結果、合計点が5点以上で大腿骨骨折のリスクありと判定されることが明らかとなった。(上表参照)
報告は、「自身にリスクがあると判定された場合には、病院を受診するなどして適切な加療を受けることで、骨折を未然に防ぐことが期待される」とまとめている。
「機械学習により高齢者の大腿骨骨折を家庭で予測する8因子を同定~骨折予防への発展に期待~」(熊本大学大学院)
https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/seimei/20230818
「A machine learning-based scoring system and ten factors associated with hip fracture occurrence in the elderly」(Bone)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S8756328223001989