米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニアの Lie Hong Chen 氏らの報告。2022年11月17日「JAMA Network」に掲載。
1996~2012年に初期の乳がん(TNM stage 0~II)と診断された患者が対象。調査は2013年8月1日~2015年3月31日に実施し、2022年4月30日または患者死亡まで追跡。
身体活動レベルは、GSLTPAQ(Godin-Shepard Leisure-Time Motion Questionnaire)、疲労度は、Fatigue Severity Inventory(簡易倦怠感尺度)により調査。身体活動レベルと全死因死亡リスクの関連を分析。
結果
・ 参加者315例の平均年齢は71歳(57~86歳)で、68.9%が非ヒスパニック系白人。
・ 最長追跡期間8.7年(中央値7.8年[四分位範囲:7.3~8.3年])において、45例(14.3%)が死亡。そのうち5例が乳がんで死亡。
・ 死亡率は、身体活動レベルの高い群(ランニング、ジョギングなどまたは高頻度)12.9/1,000人年、中程度の群(早歩き、ゆっくりとしたサイクリングなど、または中頻度)13.4/1,000人年、低い群(ヨガ、アーチェリーなど、または低頻度)32.9/1,000人年。
・ 多変量解析において、身体活動レベルが低い群と比較して、身体活動レベルの高い群の死亡のハザード比(HR)は0.42(95%信頼区間:0.21~0.85)、身体活動レベルが中程度の死亡のHRは0.40(同:0.17~0.95)。(上図参照)
報告は、「身体活動レベルが高い人と中程度の人の死亡リスクは同程度であり、がん患者のケアにおいて身体活動の取り組みを検討する必要がある」とまとめている。
「Association of Physical Activity With Risk of Mortality Among Breast Cancer Survivors」
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2798622