2022年6月7日、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの長寿コホートの総合的研究(ILSA-J:Integrated Longitudinal Studies on Aging in Japan )」グループの研究実績報告。
「長寿コホートの総合的研究(Integrated Longitudinal Studies on Aging in Japan: ILSA-J)」※ の全国16の各コホートが2010年と2017年に調査した認知機能検査(Mini-Mental State Examination2)の代表値(30点満点中、認知機能障害が疑われる23点以下および、認知機能が良好な28点以上の性・年代別の割合)を収集し、2010年8,575名、2017年6,089名の高齢者のデータの統合解析を行った結果。
2010年から2017年にかけて、認知機能障害が疑われる高齢者(MMSE得点23点以下)の割合は、男女ともに減少(75~79歳の女性を除く)。
認知機能が良好な高齢者(MMSE得点28点以上)の割合は、男女ともにどの年代でも増加していた。(上図参照)
報告は、「今回の多施設共同研究の結果は、日本人高齢者において、寿命の延伸にともない、身体機能だけでなく、認知機能も向上している可能性を示唆している」とまとめている。
※「長寿コホートの総合的研究(ILSA-J:Integrated Longitudinal Studies on Aging in Japan )」
地域在住高齢者を対象として老化・老年病を研究するコホート研究のデータを統合し、日本人高齢者の健康水準とその推移を明らかにすることを目的とした多施設共同研究。2022年5月現在、全国の16のコホート研究が参加している。
「「長寿コホートの総合的研究(ILSA-J)」により、近年、日本人高齢者の認知機能が向上している可能性が示されました」(国立長寿医療研究センター)
https://www.ncgg.go.jp/ri/report/20220607.html